退職給付金は怪しい?詐欺?真実をお伝えします

退職給付金が怪しいか詐欺かを整理したアイキャッチ画像

先に結論をお伝えします。退職給付金』という名前の公的な制度は存在しません。広告で使われるこの言葉の正体は、失業保険(雇用保険の基本手当)と傷病手当金(健康保険)という、本来受け取れる公的給付をまとめた『業者がつくった総称』です。

SNSやネット広告で「退職給付金がもらえる」という言葉を見て、不安になっていませんか。

「詐欺ではないか」「怪しいのでは」と感じる人は、決して少なくありません。

この記事でわかること

  • 「退職給付金」が怪しいと言われる本当の理由
  • その正体が失業保険と傷病手当金であること
  • 国民生活センターが注意喚起した申請サポートのトラブル
  • 不正受給に巻き込まれないための知識と相談先

当メディアでは、厚生労働省や国民生活センターなどの公的情報をもとに、忖度なく整理しました。

大切な前提があります。「制度そのもの」と「一部のサポート業者の手口」は、分けて考える必要があります。制度は適法ですが、扱う業者の一部に問題があるのが実情です。

このあと、なぜ怪しいと言われるのか、その正体は何か、どんなトラブルが起きているのかを順に見ていきます。

退職給付金に関する資料

目次

退職給付金が「怪しい」と言われる理由の結論

結論からいうと、「退職給付金」が怪しく見えるのには、はっきりした理由があります。

それは『名前と実態がズレている』ことと、『一部の業者が問題ある勧誘をしている』ことの2点に集約されます。

「退職給付金」という公的制度は存在しない

まず押さえておきたいのが、この言葉の位置づけです。

「退職給付金」という名前の制度は、法律にも厚生労働省の公文書にも見当たりません。

退職給付金の正体
失業保険(雇用保険の基本手当)と、傷病手当金(健康保険)を組み合わせて受け取るプランを、業者が『退職給付金』とまとめて呼んでいるだけです。

名前が実態を正確に表していないため、「何の話か分からない」という混乱が生まれます。

その分かりにくさが、そのまま「怪しい」という印象につながっているのです。

「怪しい」の正体は制度ではなく一部業者の手口

もう一つの理由が、業者側の問題です。

失業保険や傷病手当金そのものは、在職中に納めた保険料を原資とした適法な公的給付です。

一方で、これを「退職給付金サポート」と称して高額な費用を請求する業者もいます。

なかには、事実と異なる申請を促すような業者も一部に存在します。

切り分けがポイントです。『制度=適法』、『一部業者の手口=問題あり』。この2つを混同すると、判断を誤ります。

つまり「全部が詐欺」でも「全部が安全」でもありません。

正確には『一部の業者が問題で、制度そのものは適法』というのが実態です。

注意したいのは、「怪しい」と切り捨ててしまうことのリスクです。

失業保険や傷病手当金は、在職中に保険料を納めてきた人が持つ正当な権利です。

両面を見る姿勢が大切です
業者への不信感から申請そのものをあきらめてしまうと、本来受け取れる給付を逃すこともあります。『制度と業者を分けて考える』のが出発点です。

具体的なトラブルの中身は、後半の「国民生活センターが公表した申請サポートのトラブル」で詳しく整理します。

そもそも退職給付金とは何か(失業保険・傷病手当金との関係)

退職給付金の正体は失業保険と傷病手当金の総称だと示す図

怪しさの正体を理解するには、「退職給付金」が指している中身を知ることが近道です。

大きく分けて、2つの公的給付がその実体になっています。

給付の種類制度の根拠対象となる状況
失業保険(基本手当)雇用保険働く意思と能力があるのに職に就けない期間
傷病手当金健康保険病気やケガで働けない期間

失業保険(雇用保険の基本手当)の位置づけ

失業保険は、正式には雇用保険の「基本手当」と呼ばれます。

離職後、働く意思と能力があるのに就職できない期間の生活を支える制度です。

手続きはハローワークインターネットサービスで案内されており、窓口で相談できます。

知っておきたい事実
基本手当の金額や給付日数は雇用保険法で決まります。『業者が介入して増やせるものではありません』。

離職された皆様へ

基本手当を受給される皆様へ(ロングver)日本語(Japanese)

傷病手当金(健康保険)の位置づけ

傷病手当金は、健康保険に加入している人が病気やケガで働けないときに支給される制度です。

制度の詳細は全国健康保険協会(協会けんぽ)などで確認できます。

一定の要件を満たせば、退職後も継続して受け取れる場合があります。

協会けんぽの傷病手当金の支給期間を説明した画面
全国健康保険協会(協会けんぽ)

ここが重要です。傷病手当金は『本当に働けない状態』であることが前提です。健康なのに病気を装う申請は、後述する不正受給にあたります。

2つを組み合わせた「総称」がなぜ生まれたか

では、なぜ「退職給付金」という呼び方が広まったのでしょうか。

背景には、申請手続きの分かりにくさがあります。

給付金は自分で申請しないと受け取れず、要件の確認や書類の準備には知識が要ります。

その複雑さを「手ほどきする」という役割で生まれたのが、いわゆる申請サポートです。

覚えておきたいポイント

「退職給付金」は、サポート業者がマーケティング目的で使い始めた俗称です。

申請にあたって、サポートの利用が必須というわけではありません。

「受給期間が延びる」と言われる仕組みの実態

広告でよく見る「受給期間を延ばせる」という訴求にも、種明かしがあります。

失業保険には、特定理由離職者・特定受給資格者という区分があります。

これに認定されると、自己都合よりも給付日数が長くなる場合があります。

また、傷病手当金と失業保険は、受け取る時期をずらせば組み合わせられます。

仕組みの正体
「最大28ヶ月」などの表現は、傷病手当金(最長1年6ヶ月)と失業保険を時期をずらして受け取った場合の合計を指していることが多いです。

ここを誤解しないでください。傷病手当金は『働けない状態』、失業保険は『働けるが職がない状態』が前提です。両方を同時には受け取れません。

制度の組み合わせ自体は適法ですが、健康な人が傷病手当金を長く受け取れるわけではない点に注意が必要です。

退職給付金が「詐欺」「怪しい」と検索される4つの理由

退職給付金が怪しいと言われる4つの理由を整理した図

「退職給付金 怪しい」「退職給付金 詐欺」と検索する人が増えています。

その背景には、4つの共通した理由があります。

怪しいと感じる理由何が起きているか
公的制度のように見える実際は法律にない造語
「最大◯百万円」の表現誇大に感じる金額の打ち出し
高額なサポート費用料金の根拠が不透明なケース
知恵袋やSNSの不安の声体験談や疑問が多く投稿される

理由1:公的制度のように見える造語だから

1つ目は、すでに触れた「名前」の問題です。

「給付金」という言葉から、国が用意した公的制度のように受け取ってしまう人がいます。

確認のヒント
公的機関の窓口で「退職給付金とは何ですか」と聞いても、『明確な答えは返ってこない』のが普通です。造語だからです。

理由2:「最大◯百万円」という誇大に見える表現があるから

2つ目は、広告で打ち出される金額の大きさです。

「最大200万円」「数百万円受け取れる」といった表現を、見たことがある人も多いでしょう。

こうした金額は、傷病手当金と失業保険を長期間受け取った場合の合計を指していることが多いです。

注意したい点です。誰もがその金額を受け取れるわけではありません。受給額は人それぞれの状況で決まり、『広告の金額がそのまま保証されるものではない』のです。

理由3:高額なサポート費用が不透明だから

3つ目は、サポート費用への不信感です。

料金体系には、受給額に応じた成功報酬型と、固定料金制の2種類があります。

受給額の3割から5割を手数料とする例や、固定で数十万円を請求する例が報告されています。

費用の根拠や内訳が説明されないと、「高すぎるのでは」という疑問につながります。

理由4:知恵袋・SNSで不安の声が多いから

4つ目は、ネット上の口コミです。

知恵袋で「退職給付金 怪しい」と検索すると、疑問や不安の投稿が数多く見つかります。

「本当にもらえるのか」「会社にバレないか」といった声が目立ちます。

口コミの読み方
不安の声が多いこと自体は、サービスの良し悪しを直接示すものではありません。『事実と評価を切り分けて読む』ことが大切です。

こうした4つの理由を踏まえたうえで、実際にどんなトラブルが起きているのかを次に確認します。

国民生活センターが公表した申請サポートのトラブル

申請サポートに寄せられた相談事例を整理した図

「怪しい」という印象が、実際のトラブルとして表面化している点は見過ごせません。

公的機関も、申請サポートをめぐる消費者トラブルに注意を促しています。

国民生活センターの申請サポート注意喚起ページの画面
国民生活センター

公的機関の動きです。国民生活センターは2025年12月3日、失業保険の給付額等を増やせるとうたう申請サポートについて、『注意喚起』を公表しました。

相談件数の推移と注意喚起の概要

注意喚起の背景には、相談件数の急増があります。

公表資料によると、相談件数は年々増え続けています。

年度相談件数の目安
2021年度42件
2024年度217件

数年で相談が大きく増えていることが分かります。

注意喚起のポイントです。失業保険はハローワークが適正に判断する公的制度であり、『外部の業者が受給額を増やせる仕組みはない』という点が強調されています。

3つの代表的なトラブル事例

注意喚起では、相談として目立つ3つの類型が挙げられています。

事例1:受給額が増えなかった
サポートを依頼すれば受給額が増えると期待したが、実際には増えず、費用だけを請求されたという相談です。

次に多いのが、契約後の解約をめぐるトラブルです。

事例2:解約で高額な違約金
途中で解約を希望したところ、事業者が認めなかったり、高額な違約金を請求されたという相談です。

事例3:不正受給を促す誘導です。不調がないのに、指定のクリニックで受診するよう指示されるなど、『事実と異なる申請へ誘導』するかのような相談も報告されています。

不正受給を促す誘導という最も重いリスク

3つの中でも、特に深刻なのが3つ目の誘導です。

うつ病などの診断を得るよう指示し、マニュアルまで送られてきたという相談もあります。

避けてください。事実と異なる内容での申請は『不正受給』にあたります。事業者にすすめられても、応じてはいけません。

不正受給の具体的なペナルティは、後半の「不正受給に巻き込まれないために知っておきたいこと」で整理します。

「退職給付金 サポート」が怪しいと言われるときの注意点

サポート業者を検討する場合は、いくつか押さえておきたい注意点があります。

「怪しいかどうか」を見極めるための判断材料として整理します。

給付額は法律で決まり業者が増やせるわけではない

最初に押さえたいのが、給付額の決まり方です。

失業保険の金額や給付日数は、雇用保険法に基づいて算定されます。

もともとの受給要件で決まるため、第三者の介入で左右されるものではありません。

見極めの起点
「サポートを使えば受給額が増える」という説明があれば、『慎重に確認する』サインです。制度上、増額は基本的に起こりません。

社労士法・弁護士法の業際リスク

次に知っておきたいのが、資格に関するルールです。

社会保険の申請手続きの代行は、社会保険労務士の独占業務とされています。

無資格者が報酬を得て「完全代行」をうたう場合、業際上の問題が指摘されることがあります。

言葉のイメージに注意してください。「社労士監修」「弁護士提携」という表記があっても、『その中身が何を指すか』を確認しないまま安心するのは危険です。

料金・解約条件・返金条件の確認ポイント

費用面では、契約前のチェックが欠かせません。

「全額返金保証」という言葉も、対象や条件によって意味が大きく変わります。

依頼者側の事情で受給できなかった場合は返金対象外、と契約書に書かれていることもあります。

契約前に確認したいこと

  • 料金の総額と内訳が明示されているか
  • 解約時の違約金・返金条件が書面で確認できるか
  • 受給できる根拠を制度に沿って説明できるか
  • 社労士など資格者の関与の中身が明確か

こうした点を一つずつ確認するだけでも、トラブルを避けやすくなります。

不正受給に巻き込まれないために知っておきたいこと

失業保険の不正受給のペナルティと本人責任を示した図

最も避けたいのが、知らないうちに不正受給に加担してしまうことです。

責任を問われるのは、業者ではなく申請した本人だという点を押さえておきましょう。

不正受給のペナルティ(返還・納付・刑事罰)

事実と異なる内容で給付を受けると、重いペナルティが科されます。

受け取った金額の返還に加えて、追加の納付を命じられる場合があります。

e-Gov法令検索の雇用保険法不正受給の条文画面
e-Gov法令検索 雇用保険法第10条の4

軽く考えてはいけません。雇用保険の不正受給では、返還に加えて受給額の最大2倍の納付を求められる『三倍返し』の規定があります。悪質な場合は刑事罰の対象にもなります。

その後の再就職や生活に、深刻な影響が及ぶおそれもあります。

「言われたとおりにした」では済まされない

ここで重要なのが、責任の所在です。

「知らなかった」「事業者に言われたとおりにした」という説明は通用しません。

結論です。事業者から事実と異なる申請を促す助言を受けても、『応じない』ことが自分を守る最善策です。給付を増やすための偽りの申請は、本人に跳ね返ります。

自分で手続きする場合の相談先

「業者を使わずに進めたい」という人のために、公的な相談先を整理します。

給付金は、自分で公的窓口に相談しながら手続きを進めることができます。

失業保険はハローワーク

失業保険(基本手当)の相談・手続きは、ハローワークが窓口です。

制度の詳細はハローワークインターネットサービスで確認できます。

覚えておきたいこと
住居所を管轄するハローワークに相談すれば、手続きの方法を丁寧に案内してもらえます。『無料』で利用できます。

傷病手当金は協会けんぽ・健康保険組合

傷病手当金の相談先は、加入している健康保険の運営者です。

協会けんぽに加入している場合は、全国健康保険協会(協会けんぽ)で確認できます。

勤務先が健康保険組合に加入していた場合は、その組合が窓口になります。

契約トラブルは消費生活センター(188)

サポート業者との契約で不安やトラブルが生じた場合の相談先もあります。

困ったときの窓口です。消費者ホットライン『188』に電話すると、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。契約前の不安も相談できます。

制度の疑問はハローワークや健康保険の窓口へ、契約の不安は消費生活センターへ、と覚えておくと安心です。

退職給付金に関するよくある質問

退職給付金は受け取らないと損ですか?

対象であれば在職中の保険料で得た権利ですが、誰もが対象とは限りません。まずは公的窓口で自分が対象か確認するのが確実です。

退職給付金サポートは違法ですか?

失業保険や傷病手当金の制度そのものは適法です。ただし一部の業者に問題があります。詳しくは国民生活センターのトラブルをご覧ください。

知恵袋で「怪しい」という声が多いのは詐欺だからですか?

主な原因は造語の分かりにくさです。名前と実態のズレが不安を生んでいます。背景はトラブルの整理もあわせて確認してください。

サポートを使うと給付額は本当に増えますか?

失業保険の金額や日数は法律で決まり、業者の介入で増えるものではありません。判断材料はサポートの注意点で整理しています。

自分でも申請できますか?

できます。失業保険はハローワーク、傷病手当金は協会けんぽなどの窓口で手続きできます。相談先はこちらにまとめています。

「全額返金保証」とあれば安心して契約してよいですか?

言葉だけで判断しないことが大切です。返金の対象や条件をしっかり確認しましょう。確認の観点は注意点を参考にしてください。

退職給付金が怪しいか自分で判断するための最終チェック

怪しい申請サポートを見分ける判断軸を整理した図

ここまでの内容を、判断に使える形でまとめます。

「怪しい」という印象だけで判断せず、事実をもとに自分で見極めることが大切です。

この記事の要点
  • 「退職給付金」は公的制度ではなく、失業保険と傷病手当金の総称
  • 制度は適法だが、一部の業者に問題があるのが実態
  • 給付額は法律で決まり、業者が増やせるものではない
  • 事実と異なる申請は不正受給。責任は本人に及ぶ
  • 制度はハローワーク・協会けんぽ、契約の不安は消費生活センター(188)へ

不安なときほど、公的な窓口で確認するのが遠回りに見えて確実です。

正しい知識を持って、自分の状況に合った判断をしていきましょう。

参考文献・出典

本記事の作成にあたり、以下の公的機関の情報を参考にしました。

※本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

退職給付金ガイド編集部です。「退職給付金」という言葉に振り回されないために、失業保険や傷病手当金など、退職にまつわるお金の制度をフラットに解説しています。特定のサービスを一律にすすめるのではなく、正確な情報と、公的な相談先への道案内を大切にしています。

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